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この記事では需要の交差価格弾力性について
解説していきたいと思います。
需要の交差価格弾力性は需要の交差弾力性といったりもします。
実際、需要の交差弾力性と言っている人の方が多い気がしますね。
どっちでも大丈夫です。
需要の交差価格弾力性(需要の交差弾力性)とは?
需要の交差価格弾力性は前回解説した需要の価格弾力性と
何が違うのでしょう?
⇒需要の価格弾力性と需要曲線
⇒需要の価格弾力性についてわかりやすく解説
需要の価格弾力性だったら
X財の価格の変化に対して、X財の需要量がどうなるか?
でした。
たとえば、ウィスキーが10%安くなった時に
ウィスキーの消費量(需要量)が何%増えるのか?
考えるのが需要の価格弾力性でした。
需要の価格弾力性の式はこちらです。
これに対して需要の交差価格弾力性(需要の交差弾力性)は
となります。
X財の価格が変化するときに
もう1つのY財の需要量がどうなるか?考えるのが
需要の交差弾力性です。
この需要の交差弾力性の値を使いながら
粗代替財と粗補完財を考えていきましょう。
粗代替財における需要の交差弾力性
代替というのは交換することができるって意味です。
たとえば、ビール好きの人がいたとしましょう。
ですが、自宅にビールが1本もなかった。
そこで仕方ないから焼酎を飲んだとします。
これが代替です。
こんな感じでビールの代わりに焼酎はなるんです。
これが交換することができるって意味です。
ですから粗代替財というのは2財(ビールと焼酎)を交換することができる場合をいいます。
ここで分かりやすく説明するために
X財をビールとします。
あなたはスーパーに
ビールを買いに行きました。
ところが、ビールの価格が上がっているとしましょう。
この場合、通常はビールを買わない可能性が出てきます。
つまり、ビールの価格が上がると
ビールの需要量は減少します。
ここでビールと焼酎は粗代替財(そだいたいざい)だとします。
すると、焼酎を買って帰る可能性が出てきます。
こんな感じでビールの価格が上がるとビールの需要量が減り、
焼酎の需要量が増えます。
ここで先ほど解説した需要の交差弾力性の話に戻します。
でしたね。
X財はビール、Y財を焼酎とします。
仮にX財のビールの価格が20%上昇したとしましょう。
で、ビールを買わずに焼酎を買う人が増えます。
結果、Y財である焼酎の消費量(需要量)が増えます。
仮に焼酎の消費量が40%増えたとしましょう。
すると需要の交差弾力性=40%÷20%=2となります。
2財が粗代替財という関係になると
需要の交差弾力性を計算すると+20%と+40%と+ばかりなので
結果も+となります。
よって、粗代替財の場合、需要の交差弾力性は
0より大きい数字となります。
粗補完財における需要の交差弾力性
粗補完財の補完は補う関係にある財のことをいいます。
たとえば、焼酎と氷の関係。
「焼酎がないから氷食べようかな?」っておかしな話ですね。
お酒を飲みたい人だと焼酎がないならビールとか日本酒を飲むでしょう。
焼酎の代わりに氷はなりません。
焼酎の中に氷を入れるものですから。
つまり、お互いがお互いを補完しているって感じです。
どっちか一つでは成立しません。
特に真夏で冷たい焼酎を飲みたい場合、
焼酎だけでも生ぬるいかもしれません。
また焼酎だけだと度が強いのですぐに酔っぱらってしまいます。
そんな場合、氷で冷やしたり
ちょっと焼酎を薄めたりする必要があるわけですね。
だから今回の例では焼酎だけでは成立しませんし
氷だけでも成立しません。
どっちか1つだと成立しません。
両方が組み合わさって初めて意味があるんです。
こんな感じでお互いがお互いを補う関係にある財を粗補完財といいます。
今、スーパーに行ったらX財の焼酎の価格が上がっていたとしましょう。
となると焼酎を買わない可能性が出てきます。
ではY財の氷は買いますか?
氷だけ買って帰っても仕方がありませんから買わない可能性があります。
焼酎と氷は粗補完財ですから
焼酎の消費量が減るということは同時に氷の消費量も減ります。
では需要の交差弾力性はどうなるでしょう?
X財の価格(焼酎の価格)が20%アップしました(+20%)。
この場合、Y財の消費量(氷の消費量)は40%減りました(ー40%)。
数字はあまり気にしないでくださいね。適当ですから。
でも符号は注意してくださいね(+とかーとか)。
すると需要の交差弾力性=-40%÷+20%=-2
ー2なので0より小さいですね。
需要の交差価格弾力性まとめ
以上のように2財が粗代替財の場合、
需要の交差弾力性は+(正)となります。
逆に2財が粗補完財のときは
需要の交差弾力性はー(負)となります。
以上で解説を終わります。