参考文献・URL
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今回の記事では技術的限界代替率の求め方を解説します。
ちなみに技術的限界代替率はMarginal Rate of Technical Substitutionのことで
頭文字をとってMRTSということもあります。
技術的限界代替率(MRTS)とは?
技術的限界代替率(MRTS)とは労働時間を1時間(1単位)伸ばした時に
生産量を一定に維持するなら資本(設備の稼働時間など)を何単位減らすか?を
表したもののことです。
以下のグラフをご覧ください。
縦軸は資本Kで設備の稼働時間というイメージを持ってください。
たとえば等量曲線で生産量Qは消しゴム50個みたいなイメージを持ってください。
等量曲線についてはこちらの記事で相当詳しく解説しました。
⇒等量曲線の特徴
技術的限界代替率というのは
この等量曲線上で接線(青色)を引いて傾きを作ったもののことです。
⓵横軸の労働時間が1時間増えた、そのことで⓶縦軸の設備の稼働時間を3時間減らすと
消しゴムの生産量は50個のまま変わらないということです。
このとき、技術的限界代替率は3だと計算できます。
たとえば、2020年7月、労働Lとして50時間働いて、
資本Kとして設備は5時間動かしたら生産量は50個だとしましょう。
翌月、労働時間が1時間増えた、その代わり設備は3時間マイナスになった、
すると生産量は50個のまま変わらないです。
技術的限界代替率の公式は
です。
労働の増加分ΔLは1時間ですね。
資本の増加分ΔKは3時間マイナスなのでー3です。
技術的限界代替率の式の頭にはマイナスがついているので
技術的限界代替率=-(-3/1)=3
ということになりますね。
技術的限界代替率の式は
上記グラフのように等量曲線に接線を引いた
傾きになっていますね。
さらに、問題文によっては以下の
技術的限界代替率の公式を利用する場合もあります。
技術的限界代替率は労働と資本の限界生産力の比率に一致することが
必ず成り立つんです。
労働の限界生産力は1時間労働時間が増えたら何個消しゴムの生産量が増えるのか?
みたいな感じです。
資本の限界生産力は労働時間を設備の稼働時間に置き換えたものです。
つまり、資本の限界生産力とは設備の稼働時間が1時間増えたら
消しゴムの生産量が何個増えるか?です。
公式を使った技術的限界代替率の求め方
例題を利用して技術的限界代替率を求めていきましょう。
2020年7月は労働L=50単位、生産量=5個だったけど、
翌月労働時間が1時間増えたら生産量が3個増えたとしましょう。
この場合、労働の限界生産力MPL=3/1=3
となりますね。
1時間労働時間が増えたら3個生産量が増えたからです。
次に
2020年7月は資本K(設備の稼働時間)=3単位で生産量が5個だったけど
翌月設備の稼働時間が1時間増えたら、生産量が1個増えたとしましょう。
すると資本の限界生産力MPK=1/1=1
となりますね。
ここで、技術的限界代替率の公式は
なので、技術的限界代替率=3/1=3
ということになります。
以上で解説を終わります。