参考文献・URL
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⇒スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
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「私の責任で静岡県にリニアモーターカーを通す!」
と強気に総理大臣が言ったとしましょう。
この記事を書いているのは2020年7月下旬なのですが、
実際のところ、こんな感じでリニアモーターカー計画が頓挫しています。
リニアモーターカーの建設工事が静岡県のおかげで遅れると言う。沿線県や名古屋、さらに延伸する大阪は開通を心待ちにしているだろうに。水源を守るためとか言っているが、自県に駅ができないことによる嫌がらせと捉えかねない。
— 佐藤正志 (@OjwiKf4PdbTZjLC) July 17, 2020
なので、総理大臣がリニアモーターカーなどに公共投資するとしましょう。
もし、リニアモーターカーだけでなく
ダムとか橋など、政府が公共投資したら
どれくらい景気がよくなるか?というのが乗数効果です。
たとえば、熊本県にダムを2000億円で作ったとしましょう。
そうすると私たち日本国民の所得がいくら増えるか?といったときに
2000億円だったらダメです。
掛け算で増えるはずです。
掛け算というのが乗数効果の乗数になります。
乗数効果についてわかりやすく説明
乗数効果ってどんな話なのでしょう?
たとえば政府(総理大臣)が予算を組んで
たとえば1000億円かけてダムを作るとしましょう。
ただ、総理大臣が作業着を着てダムを作ることはできません。
専門スキルがないですし、総理大臣は外交など
やらないといけない仕事がたくさんありますから。
なので、飛島建設などの建設会社に1000億円のお金を渡して
お願いすることになります。
ここまでの話なら、
建設会社が1000億円受け取っただけなので
国民所得が1000億円増えただけで終わるわけです。
でも経済というのはここから先の方が大事です。
ここで前提として限界消費性向を0.7としましょう。
限界消費性向の意味を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
⇒ケインズ型消費関数についてわかりやすく説明
限界消費性向0.7というのは、
たとえば、日雇いのアルバイトで1万円もらったうちの
7000円支出したようなケースです。
限界消費性向が0.7というのは所得が1万円増えたら
その0.7倍だけお金を使う(消費が増える)という意味です。
政府が建設会社に1000億円のお金を渡しました。
この建設会社のお金は1000億円増えました。
当然、1000億円はこの建設会社の社員のお給料などにも
使われるわけですね。
お給料をもらったら建設会社の社員は
子どもを連れてラーメンを食べに行ったり、
彼女とフランス料理を食べに行ったりすることでしょう。
もちろん、ダムを建設中、
近くのレストランでお昼ご飯を買うこともあるでしょう。
すると、建設会社の社員たちにより、
レストランは儲かりますね。
ここで限界消費性向が0.7なので
1000億円のうちの0.7倍である700億円だけ
飲食店などの所得が増えるわけです。
今度は飲食店の従業員たちが、もらったお金で
電気屋さんに行ってパソコンを購入したり洗濯機を購入したり
したとしましょう。
すると、飲食店の従業員の所得が800億円増えたわけですが、
前提となる限界消費性向が0.7なので、
800億円×0.7=560億円だけ電気屋さんの所得が増えます。
ここまでまとめると、
公共工事により建設会社は1000億円所得が増え、
飲食店が700億円所得が増え、
電気屋さんで560億円所得が増え、
というのがどんどん循環していくんです。
政府としては1000億円しか予算を使っていません。
でも、その先、700億円、560億円と、
みんなの所得が増えていくということで、
このことを乗数効果と呼んでいます。
つまり、1000億円が起爆剤となって派生的に
他のお店で働いている人たちの所得も増えていくわけです。
そして最終的には国民全体でものすごく所得が増えるというのが
乗数効果です。
だから、大掛かりなダム建設をすると、
普通は景気がよくなります。
それは乗数効果が働くからです。
以上で乗数効果についてわかりやすく解説しました。