前回の記事ではエリクソンのモラトリアムについて解説しました。
⇒エリクソンのアイデンティティ拡散とモラトリアムとは?
今回の記事ではブルーマーさんについて解説しつつ、
ブルーマーの相互作用論とは何かわかりやすく解説していきます。
ブルーマーのシンボリック相互作用論
ブルーマーさんの場合、
相互作用論といってもシンボリック相互作用論が正確な表現になります。
ブルーマーはシカゴ大学の社会学出身です。
学生時代にミードさんの講義を受けていました。
なのでミードさんの影響を強く受けています。
⇒社会学者ミードが主張した客我とは?
それで1960年にミードさんを再評価させるようなきっかけを作ったのが
ブルーマーさんです。
ブルーマーさんは「社会は共有されたシンボルによって形成される」
と考えました。
共有されたシンボルとはたとえば『文字』です。
あなたがもし日本人なら、私が書いているこの文章を共有できているはずです。
文字は一つの象徴であり意味を持っていて、
みんな共有しています。
他にもトイレに行くと、
男子トイレだと逆三角形で、女子トイレだと赤くてスカートのイメージになっていて
みんな記号の意味が分かっているからこそ
お互い間違わずにトイレに入ることができるわけです。
このようにシンボルの意味を私たちは共有しているわけですが、
まったく同じわけではありません。
たとえばある女性を見て「きれいだな」って誰かが言っても
ある人は「目がクリッとしていてきれい」という意味のきれいもあれば
「口紅の色がかわいい」という意味のきれいと感じる人もいるでしょう。
同じキレイでも受け取り方が違うわけです。
もしコンピューターだったら同じデータを送れば
同じ答えが返ってきます。
でも人間だと微妙に解釈のずれが存在します。
そこら辺の解釈のずれのところを考えるのが
ブルーマーのシンボリック相互作用論の基本になります。
以上、解説を終わります。