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一般知識

ダールはどういう基準を満たすとポリアーキーになると主張した?

ダール ポリアーキー




前回の記事ではシュンペーターの民主主義観について解説しました。

シュンペーターさんは有権者は政治家を選んで
選ばれた政治家が政策決定を行うという主張をしていましたね。
だから間接民主制の考え方をしていたってことです。

今回の記事ではシュンペーターと違う民主主義の考え方をしているダールさんが主張したポリアーキー論について解説します。

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ダールのポリアーキー論

民主主義って勝手に名乗ることができるんです

ダールさんは以前解説した政治権力のところで登場した人で
『多元主義的権力概念』を主張していました。

ところでダールさんはどういうことをした人なのでしょう?
日本って民主主義国家ですよね。

では北朝鮮はどうでしょう?
「北朝鮮は民主主義国家ではないでしょう!」
って総ツッコミを浴びせられそうですね。

でも、北朝鮮の当事者は民主主義国家だと思っています。

何が言いたいか?というと民主主義って勝手に名乗ることができるってことです。
でもそれっておかしくないですか?

何をもって民主主義っていうのか?よくわからなくなりますよね。
「基準を決めればいいじゃないか!」ってなりますよね。

ダール流の民主主義かどうかの基準とは?

「私だったらこういう基準で民主主義だと判定していきますよ」
みたいなことを主張したのがダールさんです。

専門的な言葉でいうとダールさんは「政治体制の民主化の程度を測定」しようと主張したのです。
いろんな国が勝手に民主主義と名乗っていたりしますが、
本当の民主主義体制とはどういうものなのか?ということをダールさんは考えたわけですね。

ダールさんにとって民主主義というのは『理想や理念にすぎない。現実には存在しない』ものだと考えました。

そこで民主主義的な国家、政治体制をダールさんは『ポリアーキー』と名付けました。

ダールが提唱したポリアーキーとは?

ポリアーキーとは何でしょう?

詳しい内容はダールさんの著書をご覧ください。

ここでは噛み砕いてわかりやすい解説をしていくことにします。
ポリアーキーとは不完全ではあるものの、現実の民主主義体制のことです。
ダールさんは実際に存在している民主主義体制に体制のことを『ポリアーキー』という名称に変えたわけですね。

ポリアーキーで大事なのは『不完全だけど民主主義が存在している』というところです。

ダールはどういう基準を満たすとポリアーキーになると考えた?

ではどういう基準を満たすとポリアーキーになるのでしょう?
政府を批判する自由があるかどうか?です。

これを『公的異議申立て』といいます。

どこまで政府を批判することができるか?
つまり、公的異議申立ての許容度がポリアーキーかどうかの判断基準となります。

あと、政治参加の程度もポリアーキーかどうかの判断基準に影響します。

つまり、

ポリアーキーかどうか判断するために

(1)公的異議申立ての許容度
(2)政治参加する自由がどこまで広がっているか?(包括性)

この2つで民主主義体制を測定していこうとダールさんは主張したのです。
(1)公的異議申立ての許容度と(2)政治参加する自由がどこまで広がっているか?(包括性)の2つが
実現できているなら、不完全かもしれないけど
民主主義体制だとダールさんは提唱しました。

そうすることによって国ごとの政治体制の比較ができるようになります。

そして(1)公的異議申立ての許容度と(2)政治参加する自由がどこまで広がっているか?(包括性)の2つが
十分に発達した政治体制をポリアーキーとダールさんは呼びました。

たとえば、政治参加も認められてないし、公的異議申立てもできない状態は
絶対王政の時代が該当します。
封建社会のことです。

それから制限選挙制下のイギリスでは
政治参加は限定されているけど、政府に対する批判はできました。
これを競争的寡頭体制といいます。

競争的寡頭体制から徐々に政治参加を拡大していくとポリアーキーにたどりつきます。

あと包括的抑圧体制は北朝鮮が該当します。
包括的抑圧体制というのは確かに普通選挙制は実現しているものの
政府に対する批判が許されていない状態のことです。

政府に対する批判が許されていないということは
常に候補者が1人しか出ないということです。
選挙をやるといっても常に信任投票という状況です。
対立候補がでるということは今の政治体制に対して批判的ということです。
今の政治体制に対して批判的だから対立候補が出るわけですが
対立候補が出ないということは批判ができないということです。

以上でダールさんが提唱したポリアーキーについての解説を終わります。