前回の記事ではアンゾフによる多角化の1つ
水平型多角化について解説しました。
⇒水平型多角化とは?具体例を挙げてわかりやすく解説
今回は垂直型多角化について解説します。
垂直型多角化の垂直とは?
垂直型多角化とはどんな多角化戦略なのでしょうか?
まず、垂直型多角化の垂直って
どういう意味でしょう?

たとえばドッグフードを私たち消費者が買うケースを
考えてみましょう。
まず製造業者がドッグフードを作っています。
製造業者が作ったドッグフードは卸業者に輸送されます。
卸業者に届いたドッグフードは
ペットショップなどのお店に届けられます。
で、ペットショップにあるドッグフードを
私たち消費者が買うわけですね。
こんな感じで
↓
卸業者
↓
ペットショップ
↓
消費者
という流れがあるわけですが。

これを川の流れで例えると
製造業者が川上にあり、消費者が川下にあるといえます。
↓
卸業者
↓
ペットショップ
↓
消費者(川下)
なので上流は製造業者側です。
ドッグフードができてお客さんが買うまでの流れを
水の流れと考えてください。
すると、上から下に商品が流れていくので
垂直の動きをしていると捉えることができますね。
垂直型多角化とは?

垂直型多角化の垂直とは
↓
卸業者
↓
ペットショップ
↓
消費者(川下)
こういうイメージでしたね。
上流から下流に水が流れるように
商品が流れていくようなイメージが垂直でした。
ただ、垂直型多角化となると、
製造業者は一番川上になるので
卸業者という川下にしか戦略を組めません。
でも卸業者は川上にある製造業者にも
川下にあるペットショップにもアプローチすることができます。
ペットショップは川下のお客さんになることはできないので
川上にある卸業者や製造業者にアプローチすることになります。
こういった多角化戦略を垂直型多角化といいます。
また、川下へ行う多角化を前方的多角化といい、
川上に行う多角化を後方的多角化といいます。
そもそも多角化戦略とは何か?
についてはこちらの記事をご覧ください。
⇒多角化戦略とは?例を挙げてわかりやすく解説
定義的なことで、なかなか理解が進まないと思いますので
具体例を挙げて解説していきたいと思います。
垂直型多角化の具体例

ドッグフードの製造会社A社があったとします。
A社は消費者に直接販売するためペットショップを立ち上げました。
製造会社がペットショップを立ち上げるってことは川下進出ですね。
別名前方的多角化です。
で、A社は製造会社という強みをいかして
自社ブランドを開発し、製品のラインナップを増やしました。
ペットショップに限らず
お客さんが来るお店っていうのは品揃えが豊富な方がよいに決まってます。
わがままなお客さんだっていますから。
「食品添加物が入っていないドッグフードが欲しい」とか
「ワンちゃんがよく食べる、味の濃いドッグフードが欲しい」とか
「半生タイプのドッグフードが欲しい」とか
「オシッコの病気の予防になるドッグフードが欲しい」とか。
実際、オシッコの病気の予防につながるような処方食って
存在していて、よく売れています。
⇒ヒルズ 犬用 c/dマルチケア(小粒)尿ケア 3kg【食事療法食】
こうやってペットショップを経営するなら
豊富な品揃えが必要になってくるんですね。
製造会社だけ経営しているときなら
2種類とか3種類くらいで十分でした。
でもペットショップまで川下進出するなら
品揃えを増やす必要があるわけです。
これが垂直型多角化の具体例です。