参考文献・URL
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上のグラフは交わっていますが、
無差別曲線は『絶対に』交わりません。
例外がありません。
中小企業診断士試験の問題集や公務員試験の問題集なんかに
「例外的に~ときは無差別曲線は交わるときがある」みたいな
選択肢があったりするかもしれません。
でもそれは間違いの肢です。
無差別曲線は例外なく交わりません。
この記事では無差別曲線が交わらない理由について
解説したいと思います。
無差別曲線が絶対に交わらない理由
![無差別曲線 交わらない理由](https://www.management-consultant.info/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
上のグラフって交わってますね。
なぜ無差別曲線が交わらないか証明するときに
交わったらどんな状況になるか?を考えます。
実は無差別曲線って交わると矛盾が生じるんです。
今、以下の2タイプのU1,U2という無差別曲線を設定します。
そして点aで交わっています。
で、この点aで交わることは
絶対にありえないということをこれから証明していきます。
まず青線から見ていきましょう。
点aと点bが同じ無差別曲線上にあるということは
点aも点bも同じ満足だということですね。
これは無差別曲線の意味が分かっていたら
わかっていただけると思います。
もしわからない方は先にこちらの記事をご覧ください。
⇒無差別曲線の書き方を根本から解説
今度はピンク色の無差別曲線を見ていきましょう。
点aと点cが同じ無差別曲線上にあるわけですから
点aも点cも同じ満足だということです。
であるなら、
もちろん点bも点cも同じ満足でないといけないわけです。
いわゆる三段論法です。
点aと点bが同じ、
点aと点cが同じ
ならば点bと点cが同じでないとおかしいですね。
有名な三段論法にこんなのがあります。
すべての人間はいつか死ぬ。
ソクラテスは人間である。
ゆえにソクラテスはいつか死ぬ。
です。
ソクラテスは人間だからいつか死ぬのは当たり前ですね。
人間を点a、死ぬを点b、ソクラテスを点cとおいたら
上記2本の無差別曲線で点a,点b,点cの満足は同じでないと
おかしいといえますね。
これを推移性といいます。
推移性とは矛盾がないという意味です。
推移性というのは
点aと点bが同じ、
点aと点cが同じ
ならば点bと点cが同じでないとおかしい
ということです。
![無差別曲線](https://www.management-consultant.info/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
では点bと点cを比べてください。
点bと点cで同じ満足だといえますか?
いえませんね。
なぜなら、点bと点cで高さは同じですが
横軸が違いますね。点bよりも点cの方がXの消費量が多いですね。
ということは、点bより点cの方がうれしいわけです。
消費量がcの方が多いわけですから。
缶酎ハイが好きな人なら
より缶酎ハイが飲めた方がうれしいですよね。
となると、
上記グラフでいっていることと
三段論法とつじつまが合わなないですね。
三段論法で考えると
点aと点bが同じ、点aと点cが同じ
ならば、点bと点cが同じとなります。
ところがグラフで見ると三段論法が成り立ちません。
点bと点cが同じになりません。
X1よりもX2の方が消費量が多いわけですから、
点bより点cの方が効用が大きいわけです。
となると三段論法が成り立ちません。
三段論法が成り立たないということは
このグラフはダメってことです。
何が原因か?
点aで無差別曲線が交わっているのが原因なんです。
だから矛盾していることになります。
ということは三段論法をきれいに成り立たせるためには
点aが交わったらダメなんです。
だから無差別曲線は例外なく交わることはありません。
以上で解説を終わります。