参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
⇒スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
⇒スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(マクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
前回の記事では可変費用と固定費用について解説しました。
⇒可変費用と固定費用ってどんな費用?
総費用(TC)=可変費用+固定費用
でしたね。
総費用に含まれる可変費用や固定費用もすごく重要な用語なのですが、
平均費用という用語もかなり重要です。
たとえば、消しゴムの生産量でいうと
トータルでいくら費用がかかるか?だと総費用になりますが、
消しゴムを1個作るときの費用を考えるなら平均費用を利用します。
平均費用(AC)とは?
平均費用は英語だとAverage Costとなります。
ACと略すことが多いです。
平均費用の平均は割り算のことだと理解しましょう。

たとえば、高校生のとき、
中間試験を受けた後、
クラスの平均点を先生が伝えるってことありましたよね?
「数学の平均点は58点だった」みたいな。
平均というのは全体(1クラスの人数、たとえば40人)を
その対象になっている数(1クラスの数学の点数を足したら2320点だった)で割れば出せます。
この場合、2320点÷40人=58点
と平均点を出すことができました。
このことから平均費用は以下の式で求めることができます。

だから平均費用は総費用を生産量で割れば
求めることができます。
たとえば、消しゴムの生産量Qが1万個だったとしましょう。
そして総費用が10万円だっとします。
この場合、平均費用ACは
平均費用AC=10万円÷1万個=10円/個(1個当たり10円)
ということで、1個10円で消しゴムを作ったことになるわけです。
こんな感じで1個当たり、1本あたり何円でその商品ができるのか?
を表した費用が平均費用です。
では、1本とか1個作るときの費用(平均費用)を
グラフで考えたらどうなるのでしょう?
平均費用のグラフ
こちらのグラフをご覧ください。

消しゴム工場での総費用TCです。
グラフの見方はこちらの記事で詳しく解説しています。
⇒可変費用と固定費用ってどんな費用?
点Xのところをご覧ください。
点Xでは消しゴムを1万個作った時の総費用が10万円でした。
この総費用の中には光熱費の基本料金(固定費用FC)や
パートのおばちゃんのお給料(可変費用VC)も入っています。
すると平均費用は1個消しゴムを作るなら10円の費用がかかります。

汚くなりますが、
黄緑色の線で引いた距離が総費用TCの10万円で、
紫色の線で引いた距離が生産量Qの1万個です。

とすると、金色の線を引っ張ってできた傾きが
平均費用となります。
ちなみに傾きというのは一般的に横の変化(生産量Qが0から1万個に増えた)に
対して縦の変化(総費用が0円から10万円に増えた)の割合です。
今回のケースだと1万個増えて10万円増えたと考え、
1個あたり10円というのが平均費用になります。
平均費用が最小になるのは?
平均費用はグラフの中で変化します。

今、横軸が消しゴムの生産量で左からQX(先ほど平均費用を計算した点と同じ)、QY、QZとなっています。
で、平均費用は原点から点Xに補助線を引いてできる傾きACXが
点Xにおける平均費用です。
同様に原点から点Yに補助線を引いてできた傾きACYが
点Yにおける平均費用ACYです。
点Zに補助線を引いてできた傾きACZが点Zにおける平均費用ACZです。
よくみてください。
点Xと点Yを比べると傾きの大きさが違いますね。
しかも、点Yにおける傾きACYは平均費用が最小になっています。
明らかにACYとACZを比べたらACYの方が小さいですね。
すると、

こんな感じで点Xから点Yにかけて平均費用が減少していくのに対し、
点Yから点Zにかけて平均費用が増加して言っていますね。
なので、点Yにおける平均費用が最小になります。
この動きは理解しておいてくださいね。