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1次試験

職能別組織の特徴とは?メリットやデメリットについてもわかりやすく解説




前回の記事でラインアンドスタッフ組織について解説しました。
ラインアンドスタッフ組織とは?わかりやすく解説

現在、一定規模以上の会社というのは
ラインアンドスタッフ組織を採用することが多いです。

ラインアンドスタッフの図

ところが、同じラインアンドスタッフ組織といっても
上記図だったら、部長1と部長2をどう分けるか?によって
いろんなタイプに分類することができます。

この記事ではそのうちの1つとして職能別組織について解説していきます。
ですので、当然ですが、ラインアンドスタッフ組織の知識が前提になります。
ラインアンドスタッフ組織とは?わかりやすく解説

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職能別組織の特徴

職能別組織はどういう組織図になるのでしょう?
まずはこちらの図をご覧ください。

職能別組織の特徴

職能別組織はラインアンドスタッフ組織が前提なので
社長がいて、スタッフ部門があります。

そして大事なのは社長の下のところです。
機能とか職能といった仕事の役割分担ごとに分けるのが職能別組織の特徴になります

ですので、ここでは生産部とマーケティング部としましょう。

職能別組織の場合には
生産部やマーケティン部が全部そろって初めて会社として機能すると考えます。

たとえば、この会社(消しゴムを作る会社とする)に生産部しかないのであれば
消しゴムを作ることができても販売することができません。

逆に生産部とマーケティング部(販売することに特化)の両方があることで
消しゴムを作って販売して収益をあげることができるわけですね。

職能別組織は夫婦みたいなもの

まぁ、夫婦みたいなものですかね。
夫婦が二人三脚で一つの家庭が出来上がるってイメージです。
旦那だけだと力仕事が得意で重い荷物を運んだりするのは得意かもしれないけど、
女性のような繊細な仕事は苦手なことが多いです。

逆に奥さんだけでも、クロネコヤマトの宅急便が30㎏のお米を届けてくれても
玄関から奥の部屋まで持っていくことも難しいでしょう。

やはり個性のある2人が協力することで
家庭がうまくいくってことです。

これと同じで職能別組織も消しゴムを生産する生産部や
作った消しゴムを販売する販売部とかマーケティング部が力を合わせることで
会社の売上が上がるわけです。

ところで職能別組織は
上位者に権力が集中するという特徴
があります。

どうしてでしょう?

職能別組織の特徴

たとえば、上記図の会社では
消しゴム以外にも鉛筆も生産販売しているとしましょう。
そして、消しゴムはすごく売れているけど、
鉛筆はあまり売れていないとします。

で、この状況にいち早く気付けるのは
生産部でしょうか、それともマーケティング部でしょうか?
もちろん販売に集中しているマーケティング部ですね。
生産部はひたすら消しゴムや鉛筆を作っているだけで
実際には販売していませんから、売れ行きには鈍感になりますから。

そこで売っているマーケティング部としては
当然、生産している生産部に対して
良く売れている消しゴムの生産を増やして売れていない鉛筆の生産を減らすように
言いたくなるでしょう。

あるいは鉛筆がもっと売れるように
他の鉛筆を作っている会社と差別化を図れるような
商品の開発を促したくなるかもしれません。

そうした方が会社全体にとってプラスになりますからね。

ところがマーケティングのスタッフというのは
生産部に対して直接命令することはできません。

どうしてかというと、生産部に命令する権限を持っているのは
マーケティング部ではなく、より上位者の社長となります。

だから職能別組織の場合には
マーケティング部の人は消しゴムが売れていて鉛筆が売れていないということなら
いったん、自分の上位者である社長などに報告し、
それに対して社長などが決済を下して、「鉛筆の生産を増やせ」などと命令をするわけです。

つまり、部門間の調整というのが
一段上の上位者によって行われることになります。
これを集権的組織になりやすいといいます。

なので、生産部とかマーケティング部の部長というのは
リスクのある意思決定が可能です。

たとえば、AとBどちらにしたらいいか?
生産部部長が悩んだとしましょう。

もし間違った意思決定をしたら自分の昇進に傷がつくかもしれません。
となると、自分の上司(社長など)に「AかBか決めてください」と
丸投げすればOKなわけです。

こんな感じで危険なことを避けながら
会社勤めができるのが職能別組織です。

したがって、自分が上の立場になる前に
重要な意思決定ができないので将来の経営者が育ちにくいというデメリットがあります。

こんな感じなので職能別組織は中小企業が適していると言われています。
こんな感じで重要な意思決定を避けて成り上がった人が
上場企業の社長だったら、会社の存続が危ないのは明白でしょうから。

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職能別組織のメリットとデメリット

職能別組織にもメリットとデメリットがあります。

職能別組織の特徴

たとえば、鉛筆と消しゴムみたいな感じで具体的な製品の生産に特化しているので、
より専門化することで、他の会社との差別化を図り、
利益をゲットしやすいというメリットがあります。

他にもたくさん生産すればするほど、1個生産するときにかかるコストが
安くなり、利益率が高まりやすいというメリットもあります。
これを規模の経済といいます。
規模の経済とは?例を挙げてわかりやすく解説

どうして職能別組織だと規模の経済の恩恵にあやかりやすいのでしょう?
たとえば消しゴムと鉛筆を作っているとして
見た目は違う製品ですが、共通利用できる部品もあるわけです。

たとえば、出来上がった商品を印刷するときに使うインク。
インクは消しゴムのパッケージとか鉛筆のパッケージなどに使います。
なので、インクをまとめて仕入れて、一気に消しゴムや鉛筆の製造時に
利用できるので規模の経済が働きやすいわけです。

逆に職能別組織は先ほど解説したように集権的組織です。

何かを意思決定するにしても、
いちいち上司と相談して、もしかしたらさらにもっと上の上司に行って
決済がおりてようやく承認が得られるみたいな感じで
いちいち物事の決定に時間がかかるというデメリットがあります。

他にも集権的組織ですから、いちいち上司に相談しないと
物事の意思決定ができないものの、上の立場の人であればあるほど
現場を知らない可能性が高いので間違った意思決定をすることがあり得るという
デメリットがあります。

あと、職能別組織の場合には
生産部とマーケティング部だったらどっちが会社の利益に貢献していると
いえるでしょうか?

はっきりとは言えないというのが答えになります。
なぜなら生産部もマーケティング部もやっていることが
まったく違うので、一つの物差しでどちらの部門が
会社にとって利益をもたらしているか測定できないからです。

生産部だったらより安くよりいいものを生産したいでしょうし、
マーケティング部だったら1個でも販売したいでしょう。

また、もし消しゴムが売れなかったとしたら、
売れない原因は消しゴムの質が悪い(生産部の責任)のか、
それともいい製品ができているけど、売る人の能力が低い(マーケティング部の責任)のか
なかなか測定できません。

なので職能別組織だと業績評価が難しいというデメリットがあります。
そもそも業績評価が難しいと一般的にはモチベーションが低下しやすいというデメリットもあります。

どうしてでしょう?
この会社は真実は生産部はすごく頑張っているけど、
マーケティングは公園でタバコばかり吸って仕事しないとしましょう。
この場合でも、職能別組織だと業績評価が難しいので
給料に反映しにくいわけです。

なのでたとえば同期入社で生産部のAさんとマーケティング部のBさんの給料は
横並びになる可能性が高いわけです。

となるとめちゃくちゃ頑張っている生産部のAさんのモチベーションが
駄々下がりになってしまいます。

あと、生産部のAさんはすごく頑張って部長になって最後は社長になったとしましょう。
でも、Aさんはマーケティング部にいたことがないので販売のことが
まったくわからない社長になってしまいます。
これも職能別組織のデメリットです。

続いて職能別組織と似た組織である、
事業部制組織について解説します。
事業部制組織のデメリットは?職能別組織の違いもわかりやすく解説