今回の記事ではヘラクレイトスが『世界は究極的に火からできている』
と言った理由は何だったのか?わかりやすく解説します。
ヘラクレイトスと火
ヘラクレイトスはアルケーというものを『火』と捉えました。
アルケーとは万物の根源の根源のことです。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
⇒自然哲学の祖は誰?
つまり、『世界は究極的に火からできている』とヘラクレイトスさんは主張しました。
ではなぜヘラクレイトスさんは『世界は究極的に火からできている』と言ったのでしょう?
これはヘラクレイトスさんの世界観で『万物は流転する』という言葉があります。
万物は流転するというのは『すべてのものは移り変わっていく』という意味です。
専門用語だと『panta rhei(パンタレイ)』といいます。
これを東洋の言い方に変えると『無常』という言葉になります。
とにかく、万物は流転するというのは、あらゆるものは移り変わっていく、
世界は生成消滅を繰り返すということです。
このことを例えて『火』と言っています。
どういうことかというと、燃え盛っている『火』というのは
常に姿かたちを変えています。
これと同じように世界というものも常に姿かたちを変えている、
生成消滅を繰り返すということで世界というものを『火』とヘラクレイトスさんは考えました。
これと同じことをヘラクレイトスさんは『同じ川に二度入ることはできない』
そんなような言葉が残っていたりするのですが、
でも、実際にヘラクレイトスさんが言った言葉かどうかは
確証はありません。
疑問視する学者さんもいます。
ただとにかく『同じ川に二度入ることはできない』という言葉は
生成消滅を繰り返すという言葉を印象的に表す言葉として有名です。
あと、世界は生成消滅を繰り返すわけですが
その究極的な根拠には理法(ロゴス)、つまり世界には究極的な秩序みたいなものがあって
そういったものが世の中を支配しているとヘラクレイトスさんは考えました。
以上で解説を終わります。