一般知識

ワースのアーバニズム論についてわかりやすく解説

ワース アーバニズム論




今回の記事ではワースのアーバニズム論についてわかりやすく解説します。

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ワースのアーバニズム論

前回の記事では多核心モデルについて解説しました。

都市というのは構造だけでなく生活様式、
つまり住んでいる人のライフスタイルも違います。

で、生活様式に関して注目したのがルイ・ワースのアーバニズム論です。

アーバニズムとは都市の生活様式を形作るものの集合体のことです。
だいたい田舎の真逆のものを指します。

こういったアーバニズムを理論的に考えたのがワースさんのアーバニズム論です。

ところで

ワースさんは都市の特徴を

・人口規模
・人口密度
・異質性

が高い場所というふうに定義づけました。

例えば東京。
東京は1000万人以上の人がいます(人口規模が高い)。
また人口密度も高いです。

いろんなタイプの人がいます(異質性が高い)。

そして人口規模、人口密度、異質性という3つが高い場所が都市だと
ワースさんは定義づけました

こんな感じで人口規模、人口密度、異質性の増大を原因として
結果としてアーバニズムが広がっていきます。

ワースさんはアーバニズムを見るにあたって

・人間生態学
・社会心理学
・社会組織

の3つからみていきます。

人間生態学的にはすみ分け、つまり混ざらないわけです。
いろいろと住み分けて
土地利用形態が分化していくわけです。

社会組織的には大家族とか地域共同体とか伝統的な家族集団、
社会集団などのつながりが弱まっています。

社会心理学的には住んでいる人の無関心、孤独、不安などが
激しくなるということです。

そして

・第一次的関係が衰退し
・第二次的関係が増加していく

とワースは考えました。

第一次的関係とは直接的対面的な関係のことです。
第二次的関係とは表面的な間接的な関係のことです。

これによって都市はアノミー状況になっていくということです。

アノミーというのはデュルケムやマートンなどの専門用語としての側面もあります。
でも、もっと雑に無秩序になってきている状況を『アノミー化してきている』と表現したりします。
都市というのは農村と比べて無秩序でバラバラだというのをアノミー状況とかアノミー化しているといいます。

ところで第二次的関係は表面的、間接的な関係といいましたが
別の視点でいうと非人格的だと捉えることもできます。
非人格的というのは相手の個性によらないということです。

農村部であれば相手によって態度がいろいろ変わるかもしれませんね。
仲のいいおばちゃんに対しては「あらー、~さん、元気?
最近どうしてる?」みたいな感じです。

逆に知らない人だと会釈する程度で終わりとか。

でも、都市の場合、たとえばマクドナルドとかファミリーマートの店員だったら
誰に対しても同じような対応をするはずです。

また非人格的には『功利的』です。
功利的とは損得勘定で考えること。

また非人格的は『ステレオタイプ』です。
ステレオタイプとは見た目だけで判断することです。

たとえばスーツを着た人ってまともそうな人間に見えたりします。
見た目だけで判断するという例です。

都会みたいに人口密度、人口規模、異質性が高い場所では
こんな感じの人間関係にならざるを得ないということです。

たとえば、都会の通勤時間帯の電車内には
何百人の人が乗っています。
そんな何百人もの人の個性を吟味することなんてできません。

逆に小さな農村部だったら少人数ですし、
一生同じ人と付き合っていくわけですから
相手によって態度を変えることもできるでしょう。

でも都市は一時的に大量の人間と継続的につきあうのではなく
一時的に大量の人間とすれ違っていくわけです。

そうなると相手の個性なんていちいち見ていられません。
だから都市部は見た目だけで判断するしかありません。
それに子供には「道で人に出会ったらあいさつしましょう」って言ったりします。

確かに農村部、田舎みたいに顔を合わせる相手がいつも同じだったら
あいさつをした方がいいでしょう。

でも、新宿駅を下車してから会社に行くまでの間に
道行く人みんなに「こんにちは」ってあいさつしていたら
「あの人、次、参議院議員選挙に立候補するのかな?」
とか「宗教の勧誘?」と思われて気持ち悪がられます。

都市部のようにバラバラ、いろんな人がいる中で
変に馴れ馴れしいような態度を示すのはちょっとおかしいでしょう。

都市だと情報量が多すぎるわけです。
だからこそ全部こなすことが難しいので、
このような人間関係にならざるを得ないということです。

以上でワースのアーバニズム論についての解説を終わります。