※アフィリエイト広告を利用しています

1次試験

IS曲線の導出方法を4象限図を使ってわかりやすく解説




参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編

分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(マクロ編) [ ティモシー・テイラー ]

前回はLM曲線について解説しました。
LM曲線では4象限図という図を使って導出方法を説明しました。
LM曲線の導出についてわかりやすく解説

今回もIS曲線の導出について4象限図を使いながら
解説していきたいと思います。

スポンサードリンク




IS曲線とは?

IS曲線とは

IS曲線というのは財市場(生産物市場)が均衡するという状況を考えます。
以前三面等価の原則について解説しました。
なぜ三面等価の原則によりGDPが一致するの?

三面等価の原則が成り立っている状況が財市場が均衡している状況です。

これから解説するIS曲線の導出方法を理解するためにも
もし三面等価の原則についてよくわからないという場合には
先にこちらの記事を読んでから戻ってきてくださいね。
なぜ三面等価の原則によりGDPが一致するの?

ここでは簡単にIS曲線の前提を説明しますね。

財の生産(スターバックスコーヒーでコーヒーを提供する)=財への支出(お金を払ってコーヒーを飲む)
が国全体で成立する状態がIS曲線が成立する状態になります。

ですので、たとえば日本国内で100億円財の生産(セブンイレブンでおにぎりを販売した等)していたとして
これに対して私たち消費者がおにぎりなどを100億円分買っているという
釣り合いが取れた状態を踏まえた上で国民所得Yと利子率rが
どういう組み合わせになっているか、考えるのがIS曲線
です。

スポンサードリンク




IS曲線の導出

それでは前回解説したLM曲線の導出と同じように4象限図を使って
IS曲線を導出していきたいと思います。
LM曲線の導出についてわかりやすく解説

is曲線 導出

まず第2象限をご覧ください。利子率rと民間投資(I)の関係を表しています。
もしかしたらあなたは将来社長になってビルを建てるかもしれません。
あるいは、将来、お金持ちになって一戸建ての家を建築士にお願いして建てるかもしれません。
そういうのが民間投資(I)です。

第2象限における横軸民間投資(I)は
住宅投資や設備投資が該当します

わかりやすくいうと家やビルを建てれば建てるほど民間投資(I)は大きくなります。
縦軸の利子率rが銀行の利子のことです。

利子率が下がると民間投資が増える

ところで、利子率rが下がると家やビルの建設(民間投資I)が増えていきます。
もしあなたが銀行から借金して一戸建ての家を買うとしますね。
借金したら利子を含めて返済しないといけません。

銀行の利子(利子率)が下がると、
家を借金して買った人からすると嬉しい話ってことです。
銀行に返す利子が減るわけですから。

だから、銀行の利子が減ったら「今がチャンス!」とばかりに
家を借金して買う人が増えてくるわけです。
よって、利子率rが下がったら民間投資Iが増えます。

利子率が下がると民間投資が増える

ですので、上記のような感じで利子率が下に下がると
民間投資Iは左に増えます。

次に下に下がって第3象限を見ていきましょう。
第3象限は財市場が均衡していることを表す、民間投資I=貯蓄Sの状態です。

よくわからない方は以前解説した45度線の記事を先にご覧ください。
45度線とは?わかりやすく解説

で、45度線が分かった前提で解説しますね。
生産Ys(スターバックスでコーヒーを提供とか)したら
お客さんがお金を払ってお店の所得が増えるから国民所得Y(売上、給料)も増えます。

国民所得Yが増える=コーヒーを提供して給料をもらっている人が増えるから、
そのお金でプレステ5を買ったり(消費C)、銀行にお金を預けたり(貯蓄S)する人が出現します。
(もらったお給料Yは消費か貯蓄どちらかになるのでY=C+Sが成り立ちます)

よってYs=国民所得Y=消費C+貯蓄S
ですね。

次に支出面YDを見ていきましょう。
どれだけお金を使っているか?で
YD=C(消費)+民間投資I(他にも政府支出とか輸出、輸入もある)
でしたね。

ところで財市場が均衡しているという前提なので
Ys(生産)=YD(支出)
となります。

ということはYsはY=C+SでYD=C+I
ですから、Ys=YDより
C+S=C+Iとなり、両辺Cを消去して、
S=I
が成立しますね。

なので、財市場が均衡するということは貯蓄S=民間投資I
が成立するということになります。

だから第3象限は

利子率が下がると民間投資が増える

というグラフになるわけです。

次に右に行って第4象限を見ていきましょう。
横軸が国民所得Yで縦軸が貯蓄Sです。

横軸の国民所得Yが増えると縦軸の貯蓄が増えると理解しておいてください。
当たり前ですね。国民所得という給料が増えたら、
ちょっとは貯金(貯蓄)するでしょう。

こういう理解でOKです。

利子率が下がると民間投資が増える

で、ピンク色のr1と黄緑色のr2という点を左に持って行き(第2象限)、
下に降りて第3象限、右に行って第4象限、上に行って第1象限となり、
得られた2点(E1,E2)を結ぶことでIS曲線が完成します。

もう1回説明しますと、r1(銀行の利子が4%としましょう)。
反時計回りに動きますので、左に行って下に降り、I1点に行きました。

I1は民間投資ですから、
たとえば、I1が100億円だったとすると、
100億円分だけビルや一戸建ての家を建設することになるわけです。

次に貯蓄Sも100億円になりますね。
先ほど解説したようにI=Sですからね。

それから反時計回りに進み、Y1(所得)が450億円
みたいな感じになります。

それでさらに反時計回りに動き、E1にたどりつきます。
同様にr2もやると、最後はE2にたどりついてIS曲線が完成しますね。

あと、IS曲線は一般的には右下がりになります。

以上でIS曲線の導出についての解説を終わります。