前回の記事ではコンティンジェンシー理論について解説しました。
⇒コンティンジェンシー理論とは?わかりやすく解説
コンティンジェンシー理論の中でも特によく登場するのが
バーンズ=ストーカーさんです。
バーンズ=ストーカーさんは組織のタイプを2つに分けました。
2つのタイプとは
・有機的組織
・機械的組織
の2つです。
この記事では有機的組織と機械的組織の違いについて解説します。
有機的組織と機械的組織
まず有機的組織というのはそれぞれの人が持っている専門的な知識・スキルが
共通の仕事に貢献できるような組織のことです。
縦社会というより横のつながりをもった社会的な組織になります。
もし縦の社会だったら上からの命令に縛られるので
柔軟性はなく硬直的で言われた通りのことをやるだけの組織になってしまいます。
でも有機的組織だと横のつながりをもった組織なので、
それぞれの人が自分のスキルを活かした仕事ができるので、
その人にとって最善を尽くした方法で仕事をすることができます。
そういった意味では柔軟性があるし、
流動的(その場面場面でよりよい方向に変えることができる)になります。
以上が有機的組織です。
次に機械的組織は以前解説した官僚制組織と特徴は同じです。
⇒官僚制組織3つの特徴
たとえば、先ほどの有機的組織は縦でなく横のつながりでした。
でも、機械的組織は横より縦のつながりが強いです。
なので上からの命令で動くような組織が機械的組織になりますから、
柔軟な組織というより硬直的な組織となります。
また権限と責任を文章で決めてポジションを与える組織でもあります。
個人的な感情としては令和3年現在、機械的組織って
パワハラが横行しそうな組織な感じで
有機的組織はみんな仲良く、差別のない組織といった印象を持ちます。
でも、バーンズ=ストーカーさんは
有機的組織と機械的組織のどちらがよいみたいなことを一つも言っていません。
状況や条件によってどちらの組織がよいか違ってくるといってます。
有機的組織は明日どうなるかわからないような
変化が激しいような状況に有益な組織で、
機械的組織は公務員みたいに安定した組織に有益だと考えています。
どうしてバーンズ=ストーカーさんは上記のように考えたのでしょう?
結論としては実証的な研究をやってみて
業績などの相関を調べたら上記のように有機的組織は変化が激しい状況で有益で
機械的組織は安定した組織に有益だったということです。
有機的組織と機械的組織の違いを理解するための一例
![バスケットボール](https://www.management-consultant.info/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
一例をあげるとすると、
たとえばバスケットボールというゲームは
試合中ものすごく不安定で変化が激しいですね。
バスケットボールはボールが前からも横からも飛んできますし、
攻撃していたかと思うと、ボールを奪われたら一瞬で防御態勢に入ります。
またバスケットボールは相手とぶつかって怪我をしても
そのまま続行したりしますね。
そういった意味での不安定さもあります。
で、そんなバスケットボールにおいても機械的組織的なチームを作ることもできるでしょう。
機械的組織は権限と責任を文章で決めてポジションを与える組織ですから
A君が動く範囲はここからここまでで、
B君が動く範囲はここからここまででボールをとってもいいが
シュートは打ってはいけないみたいな感じです。
これをやればだれが選手交代しても
動ける範囲や仕事の範囲が決まっているのでやりやすいかもしれません。
でも、試合には負けるでしょう。
なぜなら、決められた範囲しか動けないし役割も決まっているので
本当はその人がシュートを打った方が確実に勝てるシーンでも、
その人がシュートを打つ権限がないなら、やはりシュートを打てないからです。
だからバスケットボールは不安定で変化が激しいから
有機的組織の方がマッチします。
バスケットボールはガチガチにルールで縛らないで
柔軟性を持たせ、
全体の状況から各人が自分で判断して自分の仕事をした方が
試合をやりやすいわけです。
状況によっては自分がシュートを打った方が良い場合もあれば
味方にパスした方がよい場合もあるでしょう。
こんな感じで各人の自由裁量度を高めて
その場その場の状況に合わせて各人が判断するというタイプの方が
バスケットボールなら合うわけです。
![テニス](https://www.management-consultant.info/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
ところがテニス(ダブルス)はどうでしょう?
基本的にボールは前からしか飛んできません。
バスケットボールなら後ろからボールが飛んでくることもありますね。
それからボールが相手方にあるなら守りですし、
ボールがこちら側にあるときは攻撃なのがテニスで
ある意味状況が安定しています。
バスケットボールは予期せぬ状況で攻めと守りが逆転することがあるので
不安定でした。
なのでテニスはどちらかというと機械的組織型です。
テニスならダブルスの場合、自分の役割がある程度決まってますね。
前衛と後衛が決まってたり、サーブを打つ人も順番で決まっていたりします。
予期せず自分がサーブを打つことってテニスにはありませんからね。
以上で機械的組織と有機的組織の違いについての解説を終わります。