参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
⇒スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
⇒スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(マクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
生産関数は
y=F(L,K)という式で表すことができます。
(yは産出量、Lは労働、Kは資本)
で、この式はL(労働)とK(資本)を2つの生産要素としたときに
このLとKの2つの数字が変わってくればy(産出量)も変わってくるという
意味を持っています。
つまり労働や資本が増えれば増えるほど
産出量が増えてくるということが生産関数の式からわかります。
ではどのように変わってくるのか?
というのを考えていくのが総生産物曲線というグラフになります。
生産関数とは何か?総生産物曲線というグラフで解説
上記グラフは総生産物曲線で
横軸はL(労働量)で、従業員の数といった意味合いです。
右へ行けば行くほど従業員の数が増えますし
左へ行けば行くほど従業員の数が減るという理解をしてください。
その方がわかりやすいと思います。
それから縦軸がy(産出量)です。
生産関数は
y=F(L,K)
なのですが、今回はL(労働量)だけ考えることにします。
K(資本)は一定にするという意味です。
こういった前提に立つと上記のような
総生産物曲線ができあがります。
ではどうして上記のような総生産物曲線が
できあがるのでしょう?
L(労働者)を増やせば増やすほど
y(産出量)は増えるのは当然ですね。
たとえばミシンで服を作る会社があったとしたら
労働者が増えて服を作る人が増えれば増えるほど
できあがる服の量は増えますね。
で、産出量の増え方ですが
最初のうちは収穫逓増になります。
「収穫逓増って何?」という方は
さきにこちらの記事をご覧ください。
⇒収穫逓増と収穫逓減の違いをグラフで解説
グラフで言ったらスモールaのところまでは逓増します。
服を作る作業をし始めた当初って、
慣れないわけです。
だから、ぎこちない動きで服を作ることになります。
でも、1人、また1人と労働者が増えると、
ぎこちない動きであっても助け合って服を作れわけです。
1人だけで作るよりも圧倒的に早く服を作り上げることができます。
こんな感じでどんどん効率よく服を作り上げることができるのが総生産物曲線のaまでの状態です。
ではさらに労働者Lを増やしたらどうでしょう?
すると、もうさすがに助け合っても
助け合わなくても、普通に服を作り上げることができますね。
同じ事業所の中にたくさんの人がいて
うっとうしく感じ始めるかもしれません。
そこで、余った労働者は電話の受付業務をさせたり
売れた服の発送業務をさせたりします。
なので産出量の増加はaの時ほど多くはありません。
それがグラフのbのところです。
bのところは収穫逓減状態です。
つまり、労働者を増やしても
少しずつしか産出量が増えない状態です。
そしてcのところは産出量は上限まできていますね。
これ以上労働者がいても、本当に邪魔な状態になります。
労働者同士が喧嘩したりして
産出量が落ちたりします。
生産関数:平均生産物について
総生産物曲線から平均生産物を算出することができます。
平均生産物とは資本Kや労働Lといった
生産要素1単位あたりの生産量のことです。
たとえば生徒が40人いる高校で中間テストをしました。
全員の合計点数は2400点だったら
平均点は2400(合計点)÷40人(全員の人数)=60点となります。
つまり平均点って1人あたりの点数って
どれくらいなのか?ってことです。
こんな感じで平均って合計を個数で割れば、でます。
では平均生産物における合計というのは何でしょう?
合計というのは総生産量になります。
個数は労働者の人数です。
したがって平均生産物は総生産量を労働量で
割ったものとなります。
平均生産物はグラフ上では総生産量がyで
労働量がLなので、y÷L、つまりy/Lとなります。
これって上記グラフの傾きになります。
傾きについて詳しく知りたい方は
こちらの記事をご覧ください。
⇒LM曲線の一般式の意味について分かりやすく解説
言葉では説明しにくいので
グラフ上に傾きを書き込んでみますね。
点aにおける傾きはピンク線、
点bにおける傾きは青色線
点cにおける傾きは黄緑線です。
で、一番傾きが大きいのは青色線のbとなります。
生産関数:限界生産物について
限界生産物とは労働Lや資本Kといった生産要素を
1単位増やした場合に増加する生産量のことをいいます。
わかりやすくいうと、限界生産物とは
ちょっと労働量や資本を増やしたら
どれだけ産出量yが増えるのかな?ということです。
『限界』生産物の『限界』という言葉の意味については
こちらの記事をご覧ください。
⇒限界効用と総効用とは?違いと求め方についても解説
で、ちょっと増えることを⊿(デルタ)で表しますので
限界生産物=⊿y/⊿L
となります。
そして⊿y/⊿Lは接線の傾きになります。
これも言葉だけではわかりにくいと思います。
ですので、グラフを使って解説したいと思います。
接線の傾きを上記グラフのように
a,b,cにそれぞれ引いてみると
一番大きいのがaになります。
限界生産物で一番大きいのはピンク線の接線である点aです。
生産関数:まとめ
生産関数についてまとめてみます。
限界生産物は点aが最大になってます。
平均生産物は点bが最大です。
そして点aまでは収穫逓増で、
点bから点cまでは収穫逓減になります。
ちなみに点cはy軸からすると一番大きいところにあります。
なので、点cは生産量が最大になる点です。
「今回の記事わかりにくかったよ!」
という方のために、再度、別の視点から生産関数について解説しなおしました。
詳しくはこちらをご覧ください。
⇒生産関数についてわかりやすく説明