前回の記事では材料の仕訳について解説しました。
⇒材料の仕訳についてわかりやすく解説
材料は現場で消費するために仕入れています。
材料が消費されると材料費という名称に変わります。
この記事では材料費の仕訳について解説していきたいと思います。
材料費を仕訳するために直接材料費と間接材料費に分ける
あなたがある従業員に「材料費いくらかかった?」
と聞いて、従業員が「50万円使いましたよ」
みたいなざっくりした話は工業簿記や実際の会社ではありえません。
直接材料費と間接材料費に分けていないと
きっちりとした原価計算ができないからです。
⇒原価計算のやり方【初心者向け】
どうして直接材料費、間接材料費と分けないといけないのでしょう?
たとえば家具製造メーカーがタンスとテーブルを製造しているとしましょう。
タンスとテーブルはまったく違う製品です。
もし合計した原価が50万円だったとして
単純に2で割ってタンスの原価が25万円、テーブルの原価が25万円と
してしまってよいのでしょうか?
ダメです。
たとえばタンスを作る材料だと木材だけでなく金属や接着剤なんかも使うでしょう。
もしかしたらテーブルは金属をを使っていないかもしれませんし
使う木材の量だってタンスとテーブルでは違うはずです。
タンスとテーブルの原価を正確に計算するためには
直接材料費と間接材料費に分ける必要があります。
直接材料費と間接材料費にきっちり分けておかないと
うまく計算できません。
直接材料費と間接材料費についての詳細は
以下の記事をご覧ください。
⇒直接材料費について例を挙げてわかりやすく分類
⇒間接材料費について例を挙げて解説
とにかく材料費を仕訳するために
直接材料費と間接材料費を分けるのが前提になります。
直接材料費は仕掛品勘定へ
間接材料費は製造間接費勘定へと仕訳していきます。
ただ製造間接費は行き先がわからない原価です。
だからいったん大きなバスターミナルである製造間接費に集めてあげて
そこからいろんなところへ配賦していきます。
ちなみに配賦とは配ることです。
材料費を仕訳していきましょう
材料費の仕訳方法を説明するために例題を
一緒に解いていきましょう。
例題1
材料2,000円を机の製造のために消費しました。
材料2,000円のうち、直接材料費は1,400円、間接材料費は600円とします。
例題の仕訳は以下のようになります。
貸方、材料2000円となります。
材料を購入したら資産の増加により借方に材料がきますが
材料を消費したら資産が減るので、貸方にきます。
なので前回の記事では材料を購入するときの仕訳だったので
借方にきましたね。
⇒材料の仕訳についてわかりやすく解説
借方は直接材料費1,400円分が仕掛品となり、
間接材料費600円分が製造間接費になります。
製造間接費ですからね。
間接材料費は勘定科目でないのでご注意ください。
あともう1つ例題を解いてみましょう。
例題2
(1)材料3,000円を掛けで購入し、引取運賃500円を現金で支払った。
(2)その後、材料1,500円を消費した。
消費した材料のうち直接材料費は1,000円、間接材料費は500円とします。
例題2の解答は以下のようになります。
(1)の仕訳については以下の記事で詳しく解説しています。
⇒材料の仕訳についてわかりやすく解説
(1)のポイントは購入代価+付随費用=購入原価
となるというところです。
購入代価が材料3,000円で付随費用が引取運賃500円です。
(2)では
直接材料費は1,000円、間接材料費は500円ですから
直接材料費が仕掛品となり、間接材料費が製造間接費となります。
まとめ
・材料を購入した時には材料が借方にくる
・材料を消費した時には材料が貸方にくる
まとめはしっかりと覚えておいてくださいね。